TADANO HISTORY
2019年、株式会社タダノはおかげさまで創業100周年を迎えました。
創業者・多田野益雄は香川県高松市で生まれ育ち、溶接業を立ち上げるべく北海道・旭川へ旅立ちました。
その旅立ちの日である1919年8月29日を創業の日と定めております。
当時は海外において溶接技術が普及・発展し、日本にも導入され始めた頃でした。
創業者は溶接の火花に魅了され、世の中のお役に立つことを確信し、北海道の地で事業を興しました。
その後、1955年に日本初の油圧式クレーンOC-2型を開発し、現在はLE(Lifting Equipment/(移動機能付)抗重力・空間作業機械)を事業領域と定め、LE分野で世界No.1の企業を目指しています。
当社の事業目的は経営理念「創造・奉仕・協力」の実現であり、100年という節目を迎えても
「世の中のお役に立つものを提供したい」
「事業を通じて世の中に貢献できる企業でありたい」
という創業時の思いは変わりません。
TADANO HISTORY1919 – 1954
創業
世の中のお役に立つものを提供したい―。
創業者・多田野益雄が北海道へ旅立った1919年の創業が、株式会社タダノのはじまりです。
しかしクレーンメーカーとしてのスタートを切るまでには、さまざまな苦難と試行錯誤がありました。
1919多田野益雄が北海道にて創業
創業者・多田野益雄は香川県高松市で生まれ育ち、溶接業を立ち上げるべく北海道・旭川へ旅立ちました。その旅立ちの日である1919年8月29日を創業の日と定めています。
当時は海外において溶接技術が普及・発展し、日本にも導入され始めた頃でした。創業者は溶接の火花に魅了され、世の中のお役に立つことを確信し、北海道の地で事業を興しました。
(写真/左から2人目が多田野益雄)
1931初めての製作機械となる「樽材製作用円筒のこ盤」を完成
1954油圧式産業機械の開発着手
ダンプトラック第1号車が完成
TADANO HISTORY1955 – 1988
クレーン完成
創業以来、さまざまな苦難・紆余曲折を経ながらひたすらに技術を磨いてきた多田野鉄工所。
日本初の油圧式トラッククレーン開発を機に「クレーンの歴史はタダノの歴史」とも呼ぶべきメーカーとしての歩みが始まりました。
1955日本初の油圧式トラッククレーン1号機OC-2型 完成
創業以来、さまざまな製品開発へ独自にトライし、溶接や油圧の技術を磨いていた多田野鉄工所は1955年、建設機械雑誌の情報をヒントにオリジナルの「油圧式トラッククレーン」OC-2型(2トン吊り)を開発生産。国内初の製品ということで全国から注文が殺到し、結果的に当社はクレーンメーカーとしての第1歩を踏み出すことになりました。
1957港湾荷役機械展示会に全油圧式トラッククレーンOC-5型を出品
1959本社工場を現在地の香川県高松市新田町に新設移転
1960油圧式トラッククレーンOC-5A型 4台をインドネシアへ初輸出
1963高松市新田町に本社社屋完成カーゴクレーン TM-2H を発売[車両搭載型クレーン]
1964トラッククレーン TS-80 を発売[汎用車架装]
1966トラッククレーン TL-125 を発売[専用キャリヤ架装]
1970国内初のラフテレーンクレーンTR-150 を発売
1973初の海外子会社としてTadano International (Europe) B.V.をオランダに設立
1980香川県さぬき市志度に志度工場新設
カーゴクレーンZシリーズを発売
1983当社初の高所(活線)作業車AT-136TE、AT-140TE を発売
1987東京両国にタダノ両国ビル完成東京事務所移転
TADANO HISTORY1989 – 2007
社名変更~激動の10年
日本がバブル景気に沸くさなか、多田野鉄工所は「株式会社タダノ」へと社名を変更しました。
新生タダノにとって華やかな時代とバブル崩壊後の激動の時代は大きな転換期と呼ぶことができるでしょう。
1990ドイツ Faun GmbH <現:Tadano Faun GmbH>を買収
グループ連結売上が初めて1,000億円を突破 (1989年度決算)
1991イースター島アフ・トンガリキのモアイ修復プロジェクト着手
津波や部族間の抗争で倒されたモアイ像を「クレーンがあればモアイ像を起こせるのに」と呼びかけたテレビ番組を社員が目にし「モアイ修復プロジェクト」が発足。政府や海軍、考古学者や島民の協力を得て1995年、アフ・トンガリキに15体のモアイ像が蘇りました。その後も当社寄贈のクレーンが島の人々の生活に使われるなど、現在も関係が続いています。
カーゴクレーンMOMOCOにて世界初のフックイン仕様を実現
1992オールテレーンクレーンAR-1000M を発売 [ARシリーズ]
1993Tadano America Corporationをアメリカ・テキサス州に設立
1995ラフテレーンクレーンCREVO シリーズを発売
1996Tadano Multico (S.E.Asia) Pte Ltd.<現:Tadano Asia Ltd.>をシンガポールに設立
1998国内最大550t吊り
オールテレーンクレーン
AR-5500M を発売
国内初の油圧式トラッククレーン発売に端を発し「世の中のお役に立つ機械を提供したい」との思いから当社は、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、カーゴクレーン、高所作業車をはじめ、さまざまな製品を世に送り出してきました。
(写真は国内最大級の550トン吊りAR-5500M)
「ファジー制御を用いた高性能高所作業車の開発」が機械振興協会賞受賞
1999環境関連商品の開発・販売を開始
(石膏ボード分別機、海水淡水化装置など/2008年に同事業から撤退)
1998-200198年度、99年度、2001年度と3度にわたり当期損益を計上し人員整理を実施
2004当社最大規模のリコール届出
ラフテレーンクレーン約1万6千台
2004年、岡山県の国道で当社製ラフテレーンクレーンによる死亡事故が発生。安全装置の不具合が要因の一つと判明し12月に8型式16機種15,278台のリコールを届出ました。また「建設機械は公道を走らせていただいている」との気づきを得て、当社がCSR(企業の社会的責任)に注力するきっかけともなりました。
オールテレーンクレーン
グローバルシリーズ
ATF110G-5 ATF160G-5を発売
(国内発売は'06年)
TADANO HISTORY2008 –
原点回帰
第2の創業からLE世界No.1へ
タダノは会社創立60周年を機に「LE=Lifting Equipment」を事業領域と定めLE世界No.1企業を目指すこととしました。
複雑・高速・極端に変化する混迷の時代も
「世界に、そして未来に誇れる企業を目指して」
私たちのチャレンジは続きます。
Tadano Faun Stahlbau GmbHをドイツに設立
米国SpanDeck Inc.<現:Tadano Mantis Corporation>を買収
2010Tadano Oceania Pty Ltdをオーストラリアに設立
2011Tadano Brasil Equipamentos de Elevação Ltda.をブラジルに設立
2012新興国向けカーゴクレーンの生産拠点としてTadano (Thailand) Co., Ltd. をタイに設立
当社グループ製品が世界中で活躍するようになり、生産拠点も世界各地に拡大しています。1990年のドイツ・FAUN社の買収を皮切りに、2008年には米国、2012年にはタイ、2018年にはインドへそれぞれ生産拠点を設立し「安全・品質・効率」のコアバリューを軸に、日本で培ったものづくり文化を展開しています。
Tadano India Pvt. Ltd.をインドに設立
2013世界最大級の吊り上げ能力を誇るラフテレーンクレーンGR-1600XL GR-1450EXを発売
2014イギリスのCranes UK Ltd<現:Tadano UK Ltd>を買収
2015グループ連結売上が初めて2,000億円を突破(2014年度・2015年度決算)
2016Tadano France SASをフランスに設立
2017Tadano Italthai Co., Ltd.をタイに設立
2018Tadano Nederland B.V.をオランダに設立
Tadano Belgium B.V.B.A.をベルギーに設立
Manitex International Inc.(米国)への出資を発表
Tadano Escorts India Pvt. Ltd.をインドに設立
2019Terex社からのDemagクレーン事業買収を発表
世界は、歴史的にみても大きな不安定期を迎えており、複雑・高速・極端に変化しています。
これからは「目の前の闘い」と「時代との闘い」の2つの闘いを同時に制していく必要があると考えています。
まずは毎期・毎月の計画を達成する「目の前の闘い」を制し続けなければ明日はありません。
しかしその連続だけでは、今を生き延びることはできても、未来はありません。
業界にも大きな技術革新の波が到来し、大きな変革期を迎えつつあります。
この「時代との闘い」を制していかなければ私たちの未来はありません。
創業100周年を迎える2019年は、当社の未来に向けた新たなスタートの年でもあります。
「世界に、そして未来に誇れる企業」を目指して、創業時の志・思いを大切にしながら、これからも世の中のお役に立つものを提供してまいります。
2019年8月
株式会社タダノ
代表取締役社長 多田野 宏一